アイアンマン・ジャパン北海道参加報告

表彰式②

アイアンマン・ジャパン北海道参加報告                                         
                            高崎市トライアスロン協会 小平 博 
2015年アイアンマン・ジャパン北海道大会は、8月23日洞爺湖をメイン会場に開催されました。今回は、元祖高トラ「ちーむ・まいんど」の阪本茂樹・高橋立也両氏の気心知れた3名で参加です。二人は、佐渡大会を始め永年一緒に参戦してきたロングディスタンスのベテランです。
 8月21日早朝4時前、妻の運転する車で高崎駅、そして高速バスにて羽田空港。今回私はJR北海道を楽しもうとツアーは遠慮して北斗8号に乗り込みました。ディーゼルエンジン特急電車の音は「しっかりとペダル踏んでるぞ!」という力強さがとても心地よく響き、「北海道の大地はこうして走れ!」と言ってるようでした。
駅弁
 洞爺湖駅の定期バス乗り場は、バイクケースを引いたり、押したりする大きな荷物を持った参加者が続々降り立ちます。そのほとんどは外国人でこの先のわずかなバス旅は、てんわやんわの楽しいひと時でした。乗り切れない人、飛び交うインターナショナルな言葉、運転手が何度言っても先に運賃を払おうとする人、、、。何となく皆笑顔で助け合い、教え合う和やかなひと時でした。
 会場に着くや否や、選手登録の長蛇の列の中には見慣れた群馬のアスリートの顔。思わずほころびる笑顔もつかの間、「完走証の提出?」「保健証コピー提出?」「写真付き身分証明書?」「JTU会員証?」・・・そんな言葉が飛び交い、私も保険証のコピーを急きょ撮りに(笑)
無事に選手登録を終え競技説明会へ、会場では今回審判長の千葉県の園川さんに会い「はるトラ」のお礼を述べることができました。

 チームメイトの阪本・高橋両氏と滞在先の洞爺湖観光ホテルにて、まずはバイクの受取と組立に取り組みました。まあ、ここまで来れば大会までのんびり気分です。などとたかをくくりながらバイクを組み立て、最後に外したサドルを取り付けるが、なっなんとがたつきが収まらない。カーボンのシートポストはすり減り、押し支えるボルトが届かないようだ。慌ててメカニックサービスの長蛇の列に並ぶことになりました。、さすがはプロ。なんとかサドルを固定することができ、胸をなでおろしました。

 それにしてもレジェンド阪本さんの食いっぷりには、目を丸くしてしまいます。ビールで乾杯の高橋さんと私をよそに、あれよあれよという間に三杯飯。昨年もこうしてエイジ3位を獲得したのでしょう。3人部屋でのホテルライフでしたが、部屋からは洞爺湖一望、温泉も食事も満足できました。またランチと大会後にお世話になった食堂のホタテどんぶりも絶品でした。
ホタテどんぶり
ホテル

 そしてアイアンマン・ジャパン北海道大会の日は静かな夜明けとともにやってきました。前日に調達したおにぎりとカップラーメンでお腹を満たし、3人揃って会場に向かいました。会場では同じ高トラメンバーの春山さん、岸野夫妻(ご主人はエイジ・奥さんはリレー)木村さん、そして緊張の八木原さんにも合い健闘を誓い合いました。
 レースはプロ部門から始まり、私は最後の6時22分にスイムスタートとなりました。カテゴリーごとのウェーブスタートのうえ折り返しまで1kmの直線なので大したバトルもなく始まりました。スイムコースは2周回ですがコースロープは無く、ひたすら折り返しを目指します。しかし、折り返しのブイなど到底視認できず、温泉街の建物や周りを泳ぐ仲間たちを頼りに少しずつ前に進みました。
 スイムから上がり、トラジションに戻ると、私のバイクラック付近はまだバイクはぎっしりとセットされており、いい位置でスイムを終えたことを確認しました。
 バイクは前半は湖畔から羊蹄山に向う高速コース。温泉街の大きな声援に送られ、ペダルを踏む足には力が漲り、私のシーポ・スティンガーは、先を走る選手を次々にパスしていきました。平坦地は、ほぼ40km/hの速度で走り、いよいよ今回のハイライトである羊蹄山のヒルクライムへと差し掛かっていきました。腕時計で標高を見ると標高は200m、ここから約600m登ることになる。コースは九十九折という感じではなく北海道らしい大きな曲線の上りが続きます。ここは、できるだけ自嘲してギアは軽くして足に負担をかけないよう走りました。最高地点でアームウォーマーを装着し、20kmの長い下り坂を疾走する醍醐味は何とも言えない爽快感でした。
 しかし、バイク後半は、何ともいやらしいアップダウンと向かい風に苦しめられ、足へのダメージは徐々に進んでいることがわかります。そんな横を大きな身体の外人二人が会話を交わしながら抜いていきました。バイクからランへのトラジションである廃校では、多くの選手が更衣テントでへたり込んでいました。
 私は、仮設トイレで小便を済ませバイクで着用していた高トラ・バイクジャージを脱ぎ、高トラ・トライスーツでランコースへ飛び出しました。スタートしてほどなく、コースはダートの山道になりました。ここも競技説明会でクローズアップされた急勾配の未舗装区間。大好きなトレイルランニングに正直楽しくなりました。腕時計は1km毎のラップを見るようにして、5分半/km位で進むことができました。
 バイク終了時に自分の位置がどのあたりなのは、同じカテゴリーのトップは何処に居るのか?そして阪本さん高橋さんは今どの辺りなのか皆目見当がつかないため、このランの調子をしっかりと維持することだけを考えて走りました。私にとってランをどう走りぬくかが課題であり、いつもこのランでスローダウンし、ライバルに抜かれてしまうという口惜しさが蘇り、忍び寄る両足の痙攣にも立ち止まることなく、走りぬくことで癒し乗り越えることができました。
 気づけば右の眼下に洞爺湖が見えます。道はそこに向かって長い下り坂です。思わず「きゃっほ~!」と声をあげて、抑えきれずにピッチを上げてしまいました。実はこれが大きな誤算でした。湖畔に入り、まだ25kmも残っているのに脚は重く、折り返し地点が遠く遠く感じられました。途中で前トラの門田さんにすれ違いました。優しい笑顔に力強い脚の運びに感心しながらも「負けてなるものか」という湧き上がる闘志が湧き上がり、一歩一歩進みました。すれ違う先を行く選手のゼッケンを確認しながら同じエイジカテゴリーを探しますが見つかりません。その後は後から来る選手のゼッケンを見ながら後方との位置を確認しました。居ました、約3km後方に一人、その後鮮やかな蛍光グリーンジャージの阪本さんとすれ違い声を掛け合う。(今回は阪本さんに追いつかれないぞ!)そう思う私でした。
 あとは、まだ見えない前を行く同エイジカテゴリーの選手を抜かなくては、、、そう強く思いピッチを6分/kmに何とか上げて走りました。洞爺湖温泉のメイン会場で残り2km、遠くにはフィニッシュのにぎやかなアナウンスも聞こえます。湖畔の石畳が足裏を痛めつけますが、むしろ最後の叱咤激励に感じられ、ウィニングランのハイタッチと私の名を叫ぶDJアナウンスに迎えられフィニッシュしました。「60-64NO.1!」その英語のアナウンスも確かに聞き取れました。実行委員長の白戸太郎さんが「おめでとう!エイジ1位ですよ。」と握手をしてくれ、私のレースは終了しました。
フィニッシュ
 チームメイトの阪本さんも3位に入り、高橋さん春山さん木村さんそして岸野夫妻も完走しました。八木原さんはバイク144km地点でタイムアウトという結果になりましたが皆アイアンマン・ジャパン北海道で高トラ旋風を巻き起こしてくれました。

 レース後は、3人で近くの食堂でささやかな祝勝会。私は鳥うどんでしたが、阪本さん高橋さんはカツカレーを平らげてました。凄い!

 翌日、アイアンマン・ハワイ世界選手権のエントリ手続を済ませ、表彰式となりました。何より高トラジャージの二人が同じ表彰ステージに上がれたことに最高の満足感がありました。
表彰式①
 そして、30歳で出会ったトライアスロンを続け45歳からアイアンマン・ハワイをめざしてきた永年の「夢」。その「夢」は諦めなければ必ず実現できるということは身をもって経験できたことの喜びは何事にも代えがたいものです。
 ハワイへは支えてくれた妻と一緒に行く予定です。多くの仲間に恵まれ、素晴らし群馬という地でトレーニングできる幸せに感謝しながらアイアンマン・ハワイ世界選手権に挑もうと思っています。
 
 記録 総合220位  エイジ60-64 1位 
    S1:13:13  B6:41:55  R4:15:12  T12:21:30

表彰式④
表彰式③



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